先月、川崎市の麻生保健所にVege&Forkイベント開催の申請手続きに行った際に、区役所の地域振興課の方や総務課の方と少し話をしてきました。ずばり「イベントに麻生区の共催•後援をいただくにはどうしたらいいですか?」ということについてです。知らないので単純に聞いてみました。
結論としては、やはりハードルは高い、というか簡単には行かないということがわかりました。諸々とても丁寧に対応いただき、その理由を説明してもらいました。まずは「共催」の定義から。
「団体等と区がともに事業等の主体となって、協働で短時間の事業等を行い、相互の役割分担、経費の分担及び社会的責任が求められる形態」なるほど。ふむふむ。続いて「後援」の定義。
「団体等が主催する事業等に対して、金銭的支出を伴わず、単に市が事業等の趣旨に賛同し、奨励に意を表して名義に使用を承諾することによって支援することをいう。」実はこれをお願いしたかった!うーん、残念でした。いやまぁ、完全否定されているわけではないので、あきらめる必要はなく今後も考えていこうと思っています。
教示いただいた話をまとめます。クリアすべき条件はこのようなものでした。
●区の施策の推進に寄与すると認められる事業等であること
これは決定的な理由です。つまり個人がいいと思っていることでも区の施策に合致していなければダメ。(ある意味、素敵な断り文句です。)
●区の区域や隣接する区域で開催され、広く市民を対象とした事業等であること
これはOKではないでしょうか。Vege&Fork Marketは「広く市民を対象」としています。
●堅実な活動実績、事業等の遂行能力が十分であると認められた主催者であるか
「僕にまかせてください!」というしかありませんね。。活動実績、、まだまだですね。
●公衆衛生、安全管理、災害防止に対しての対応は万全か
ここはやはりプロとアマの違いかも知れません。どれほどの基準かはさておき、万全かと言われると、まだそうとは言えません。
●収益を社会福祉事業に充てることができるか
民間団体の営利目的のためには協力できない、ということですね。行政らしい答えです。ほとんどの民間事業はここでふるいにかけられてしまいそうです。これも素敵な断り文句。
共催はともかく、後援を取りたい理由としては公的な媒体を使った告知ができるからです。新聞や各種紙媒体などは何だかんだで信頼性が高く、様々なつながりやトラフィックが増えることでステップアップが期待できます。助成金ももらいたいと思っています。制作や仕掛けがもっとできます。開催エリア拡大も夢ではありません。
例えば町内の図書館や公的スペースでのPRは効果覿面です。現状は図書館や区民会館などの掲示スペースはうまく生かせていない印象があります。「この壁(広告スペース)もったいない!」といった感じです。閲覧棚もスカスカ。区のクレジットがなければ張り紙一枚できません。これは残念!
今の時代、ソーシャルメディアを使ったプロモーション手法があるじゃないか!という声が聞こえてきそうです。間違いありません。そのとおりです。ただ僕の所感としてはそれなりのインフルエンサー(第三者に影響を与えることができる人物)でなければ、効果的なプロモーションを行う(=多くの人にリーチし、共感させる)ことはなかなか難しいと思っています。ツィッターで言えば属性のきちんとしたフォロワーが数千〜数万単位いるとか、ブログの月間のPVが数万〜数十万PVあるとかです。そこまでの数字がなかったとしてもあるジャンルにおいてはウェブ上で「そこそこ有名」である必要があると思います。
マスの時代は終わったし、古典的メディアなんかスルーしていまどきの個人メディアでやればいい!という手法や考え方は間違いないのですが、無名の個人ではそんなに簡単ではないのですよね。一本一本ヒットを打ち続けて信頼性や知名度を上げていくしかないのです。今のところそう思っています。
単純に考えて「誰でも、個人で、タダで、情報発信できる」という環境は素晴らしいものであると同時に人にとっては「星の数ほどの情報で埋め尽くされる」環境でもあるわけです。他者との差別化必須。でなければなかなか届かないのです。
話がちょっとそれました。
地域活動をしている人や団体はたくさんいますし、中でもおもしろく、区民のためになることをやっているところもたくさんあります。上記のような行政の基準は理解しました。しかーし。決まり事が全く変わらない、保守的な話を聞くたびに「誰のための行政や街なんだろう?」と思ったりもします。秩序社会。今までの決まりを覆す(=変化)ことで秩序を乱す(保守派を怒らす?)ことを恐れているのでしょうか。こういうジレンマを抱えている役人の人って結構いるんじゃないかと思うんですけどね。最初はそう思っても仕方ない病になってしまうんでしょうね。ぶつかるつもりはありませんが、何かこう、変わったらいいのにな、と思うことがやっぱりあります。例えば審査した上でジャッジするとか。
一方で行政をあてにしない市民運動的イメージがいいのかなぁと思うところもあります。そもそも何のしがらみや制約がないことこそグッドでしょう、を出発点にしているので、気にならないと言えば気にならなかったりもします。(一体どっちだ?)個人メディアをはじめ、無数に存在するメディアがそこらじゅうに立ち上がっていることもそう思わせてくれる理由です。経費マイナス、持ち出しあり、でなければ開催し続けることは可能です。(だから開催しています。)
そうそう、そんな時に出店料が安過ぎるとか、もっと別の所でお金にする方法を考えた方がいいよとか言われる機会も実は結構あります。本当によく言われる(笑。うーん。今のところ変える気はありません。この会場でできることが決まったときから僕はリスクはほぼゼロなので、出店者の方も限りなくリスクゼロでやってもらえるようなシステムにしたかったというのがあります。キレイごとかも知れませんが今はとりあえずそう思っています。万が一、出店料が変わるときはその理由をきちんと説明します。
イベントがコケたら信用性という意味でリスク?そんなものはリスクじゃないでーす。それをリスクと思っていたら何にも出来ない。まずは自分が勝手にやりたいと思っているところから始まっているんです。