2012/01/09

地域コミュニケーション。どうやってシェアしていくか?

連休中、川崎市麻生区の柿生で開催された「どんど祭り」に行ってきました。たくさんの門松や注連縄、書き初め、ダルマなどを藁や檜の枝で作った「やぐら」でガンガン燃やすその模様をVege&Fork Marketでお世話になった地域の方々と見物してきました。そして竹に刺した団子餅をやぐらの火で焼き、自宅で水炊き野菜鍋にして健康を祈願。何かいい年明けです。
そしてまた、この柿生という町と今後もお付き合いさせていこうと思っている僕にとってもいろいろと考えさせてくれる一日でした。




この催しは地域の祭りの意味合い以外にも「もし、近い将来311のような大地震が起きたらどうする?(=十分ありえるだろう。)」に対して「商店街全体で炊き出しをやってみんなで助けあうんだ。」という言わば「災害対策予行練習」を兼ねているとのこと。
「そうだよなぁ、地震、いつでかいの来るかわからないよなぁ。来るのかなぁ、やっぱり。」なんて考えながらやぐらの火を見ていました。

ローカルのイベントをスタートしてからローカルメディアの方々とお知り合いになる機会に恵まれています。ほとんどがどなたかのご紹介です。どんど焼き会場にも多くの地域メディアの方々がいらっしゃり、新年のご挨拶をさせていただきました。

モノゴトを認知させる媒体は必ずしもというか、もはやマスだけではありません。そもそもマスを使うには巨大なパワーが必要ですが、本来の目的は「対象にリーチさせること」です。そして意外にもそのリーチ力を持っているメディアは「ローカル」に存在していると感じています。マスの源流はローカルです。必要な情報を必要な人に。大河に水を汲みにいく時代から、近所を流れる小川に人が集まるような。自分から情報発信できるソーシャルメディアの活用とその効果は言うまでもありません。

柿生という町はニュータウンでありませんが、この町に住む新世代、つまり20代からの若手世代が積極的に地域活性化のために活動しています。今の60代〜80代が構築してきた「地域」を次の未来に向けて継承していく世代です。多くの人にとって他人事(誰かがやってくれるもの)である「地域社会のデザイン」を彼らは考えています。町を元気にする、よくする、住民のためになることする。

柿生なう。はその代表格です。美容師チームや駅前商店街の若手有志メンバーが集い、「ゴミ拾い」からスタート。その活動は各方面で取り上げられています。 また麻生区の情報や地域活動している人たちをフォーカスしたUstream番組「麻生.tv」も先日神奈川新聞に取り上げられていました。(ネット記事はこちら。何と僕と相方の写真が使われています!)みな有志でチームを作って活動しています。会って話すと素敵な人たち。

そこで何かをやろうとしたときには後にも先にも地域社会との結びつきって大事だよねってことでいくつか思うことを列挙してみました。

●オールド世代との交わることのない価値観とフィール
いきなりアレですが、Vege&Fork Marketで言うと会場管理団体とは開催時から誠心誠意、お付き合いさせていただいています。(もちろん今も尚。)時として価値観が交わらないことや歪みが出てくることもあります。嫌味なんかも言われます(笑。ですが、まぁそういうことはあって当たり前ですし、ある程度は想定内です。大事なことはこの先、「どう共有、共存していくか?」です。最終的にお互いに前向きに話ができるかどうか。これに尽きます。

相手に非があろうが、自分に非があろうが、うまくやれる人は本当にうまくやっている。(そういう人、尊敬します。)


●企画や内容の前にモラル、コミュニケーション
残念ながら企画や内容だけの力で人の心は買えません。ビジネスライク+ドライな外資系ビジネスマンでもあるまいし、やはり最優先すべきはコミュニケーション能力です。どうしてもこだわる部分はあっていいと思いますが、エゴは封印すべきです。やわらかく、やわらかく。

次世代へのバトンタッチ、継承問題
思うに、オールド世代(言い方が失礼か。何か別の言い方は。)はいかに次世代にバトンを渡していくかが、地域活性化の重要なポイントだと思います。経験値から言いたいことはたくさんあると思いますが、やはり「引き継ぎ」というのはとても重要でこの「他人に任せていく」発想を持たない限りいつまでも循環が滞ってしまいます。循環を起こさないのは生物学的によくない!新陳代謝が行われていきません。人体と全く一緒で血流が滞ってしまうと病気になってしまいます。これができない人多いです。何で少しずつでも若手に任せていけないんでしょうか。自分の存在価値に自信がないんでしょうか。とても重要なこと。ソフトウェアのアップロード。

若者を上から目線で見るべきではない
価値観は時代とともに常に変化していくものであって「絶対」でないように思います。特に時代の流れは早く「昨日の常識は今日の非常識」だったりします。ゆずれないものはあるにせよ、物質的なことも含めて新しい文化や価値観をいかに柔軟に、積極的に取り込んでいくかが重要かと思います。デジタルアナログ論やネットリアル論に代表されるようにどっちがどう、というのはもはやナンセンス。使った方がいいに決まっている。極論するとiPadを使いこなす65歳のオヤジは素敵ですし、22歳のムスメにオーガニックランチに誘われる50歳のパパも素敵です。一括りに若者を上から目線で見た瞬間にとても残念な大人に思われてしまう。


列挙してみたら愚痴だった、という結末がさておき、常に思っていることです。僕にも必ず60代、70代、80代は訪れます。30年後のことなんて全く考えていませんが、そのときにどういう価値観でいるだろうかと考えてみるならば、少なくとも柔らかい発想力は持っていたいなとは思います。頑固一徹タイプもかっこいいですが、僕はそうではないでしょう。なんて。

何やらグダグダと書いてみましたが、今年のVege&Fork Marketは5月中旬に開催します。そして次回からは「地域の方々との結びつき」も念頭に置いています。それこそ柿生なう。ともコラボレーションしてみたい。食の基準(=イベントコンセプト)がブレることはありませんが、「皆で作り上げていくその喜び」は一人でも多い方が絶対にいいに決まっています。

柿生は柿生できちんと実施しつつ、「あなたの街でも開催します。」は引き続きというか機会をつくってやっていこうと思っています。お声がけはいただいております。開催までの道は一歩一歩着実に!

どこでやろうが循環ローカリゼーションと柔軟コミュニケーションを大切にしていこうと考えています。