2011/05/29

パトロン時代の到来。

米国にKickstarterというサイトがある。プロジェクトの資金調達サイトだ。日本に昔「マネーの虎」っていう番組があったのを思い出した。あの番組はおもしろかったので見ていたが、言っても番組内企画だし、さばける人数が限られている。比べてウェブは世界中だからスピードが早い。人数制限もない。特に多いのが音楽や映画などへの資金調達。たしかにわかりやすい。好きなアーティストやクリエイターに出資(金銭的応援)する。エンドクレジットに名前が載ったり、多少の発言権がもてたりとスポンサーシステムと近い。機材を買いたいから○○ドル必要と言えば世界の誰かが投資する。莫大な資金集めを成功させた人も多いみたいだ。詳しい記事はこちらに。

日本でも個人のサイトで資金集めを行っているインディーズアーティストなんかがいる。メジャーデビューを夢見るアーティストがいる一方で属性は気にせず、制限や義務感がない分自分でやってしまおう、という考え方なんだと思う。おもしろい特徴は彼らはビッグな成功を夢見ているわけではなく、最低限生活できていれば満足だし、やりたいことができてるから十分だ、というところ。若いデジタルネイティヴ世代の価値観がこういう風になっていったらメジャーレコード会社の存在感がなくなってしまうかも知れない。

ITジャーナリストの佐々木俊尚さんの著書でスワンプとかビオドープという言葉を知った。大きな川(メジャー)に集まって人々が生活していた時代からスワンプ(湿地帯)やそれぞれのビオドープ(生物空間)で生活する時代に移り変わっていく、ということ。もちろんこれは音楽産業だけの話ではない。そしてあらゆるサービスが個人向けになってきている。

前回のエントリーで個人の時代だ、みたいなことを書いたけどこういうサービスを知ったとき、やはり米国は自由な国なんだな、なんて思っていた。日本でも誰かやってくれたらエントリーしてみたいな、なんて悠長な事を考えていた。Vege&Fork Marketだけ考えてみても資金があったらこんなこともあんなこともできるし、なんて描いていた。てか誰だってそう思う。

そしたらびっくりした。日本にも大きなサイトが3つほどあった!まじですか。

まずはGrow!だ。英語で書いてあるけど、ソーシャルパトロンプラットフォームとある。おぉ。それからCAMPFIRE ってのもある。こちらはマイクロパトロンプラットフォーム。そういえば数ヶ月前にJ-WAVEで創立者のインタビューを聴いたような。もうひとつはREADY FOR? だ。こちらはクラウドファンディングサービス。どれも同じような趣旨のサイトだ。twitterでRTされまくっている様子を見ると皆興奮していると思われる。僕もその一人だったりする。ソーシャルパトロン、そのものずばりだ。

お金をかけずにプロジェクトをはじめる考えは変わらない。身の丈にあった、とかリスクをなるべく減らすために、とかそういった理由だ。同時に資金調達人脈がないからという理由もあるし、勇気がなかったりとか、迷惑かけたくないとかもある。どうしても失敗を前提に考えてしまう部分がある。とりあえず僕の話です、これは。でもこういうサイトの登場によって事前にプロジェクト内容のすべてを明かし、賛同してもらうことができたのなら、活動の可能性は広がる。これならやりやすいかもしれない。勿論いくらウェブサービスと言ったところできっかけに過ぎず、リアル社会で繋がるから適当になんか出来ないのは当たり前だ。何にせよ、個人活動や起業者の追い風になることは間違いない。エゴサーチを怖がる人も多いけど可視化社会になって来ているから仕方ない。だからこそ信頼関係は本当に大事になってくる。

mixiでSNSを体験し、twitterで広く浅く他人とつながり、リアル社会で出会う。今度はビジネスやプロジェクトをマッチングさせてくれるサイトがたくさん出てきた。ビジネスSNSのリンクトインも日本上陸するみたいだ。facebookは7億人を超えた。このように資金集めを支援してくれるサイトもある。もう、できない理由を並べることはできなくなった。人と知り合うことはかなり容易だ。オークションサイトでのやり取りがきっかけでメジャーリーガーと交遊関係に発展してしまった友人もいる。恋人探しで「出会いがないんです。」なんて言えないのかも。あとは自分次第だ。友人の誰かがいきなり1日で1.000万円集めちゃったりするかも知れない。なんてことを想像するとクラクラする(笑)。

あぁ、前回も今回もかなり自分のモチベーションを維持させるためのようなエントリーだ。Vege&Fork MarketやOne Tree Hillで考案したプロジェクトでエントリーしてみようかな。。